心房細動のカテーテルアブレーション手術を受け、ようやく動悸の恐怖から解放されると信じて疑わなかった私にとって、術後5日目の夜に感じたあの不快な「ドクドク」という感覚は、まさに絶望の再来でした。退院して自宅でゆっくり過ごしていた際、ふとテレビを見ている時に、あの日々と同じように脈がバラバラに打つのを感じたのです。スマートウォッチを確認すると、画面には非情にも「心房細動の兆候」という文字が表示されていました。「あんなに痛い思いをして高い手術代も払ったのに、もう再発してしまったのか」と、目の前が真っ暗になりました。翌朝、不安でたまらず病院に電話をすると、看護師さんから「今は心臓が修復されている最中なので、不整脈が出るのはよくあることですよ。まずは安静にして、処方されているお薬を飲んで様子を見てください」と言われました。それでも、一度植え付けられた不安は簡単には消えません。それからの1ヶ月間、私は毎日数分おきに手首で脈を確認する、いわゆる「脈チェック地獄」に陥ってしまいました。少しでも脈が飛ぶと、また大きな発作が来るのではないかと怯え、外出するのも怖くなってしまったのです。しかし、主治医が言った通り、不思議なことが起こり始めました。術後2ヶ月が経過した頃、不整脈が出る頻度が明らかに減ってきたのです。以前は毎日数回感じていた違和感が、週に1回になり、やがて2週間に1回になりました。そして3ヶ月が経過した運命の定期健診の日。24時間のホルター心電図の結果を見た先生は、笑顔で「完璧に治っていますよ。術直後の乱れは、心臓が一生懸命に炎症と戦っていた証拠だったんですね」と言ってくださいました。あの時、私の心臓の中では、焼灼された部分がゆっくりと安定した組織に変わり、異常な電気信号を完全にシャットアウトする「防波堤」が完成していたのです。この体験を通して痛感したのは、アブレーション手術は「魔法」ではないということです。切ったところがすぐにくっつかないのと同じように、焼いた心臓も元通りになるまでには3ヶ月という時間が不可欠だったのです。今、もし術後の不整脈に怯えている方がいるなら、伝えたいことがあります。あなたの不安は痛いほど分かりますが、あなたの体は今、全力で修復を行っています。そのプロセスを信じて、少しだけ時間を味方につけてみてください。3ヶ月後の穏やかな拍動は、あの日々の葛藤を乗り越えた先にある、最高のご褒美になるはずです。
手術したのに不整脈が出た私の不安と回復までのリアルな記録