右側の背中、特に腰に近いあたりに突然、突き刺すような激痛が走った。痛みのあまり冷や汗が出て、じっとしていられない。このような症状が現れた場合、疑うべき原因の一つに腎臓の病気があります。私たちの背中の左右、腰の少し上あたりに位置する腎臓は、血液をろ過して尿を作る重要な臓器です。この右側の腎臓にトラブルが起こると、右の背中や脇腹に強い痛みとして現れるのです。代表的な病気が、尿路結石の一つである腎結石です。腎臓の中でできた石が尿管に移動し、尿の流れを妨げることで激しい痛みを引き起こします。痛みは波のように強くなったり弱くなったりを繰り返し、あまりの痛さに吐き気を催すことも少なくありません。血尿が出ることも特徴的なサインです。また、腎臓に細菌が感染して炎症を起こす腎盂腎炎も、右背部の痛みの原因となります。この場合は、痛みとともに高熱や悪寒、全身の倦怠感といった症状を伴うことが多く、速やかな治療が必要です。これらの腎臓や尿路系の病気を専門とするのが、泌尿器科です。泌尿器科では、尿検査で血尿や細菌の有無を確認したり、超音波(エコー)検査やCT検査で結石の場所や大きさ、腎臓の腫れ具合などを詳しく調べたりします。診断が確定すれば、結石の場合は痛み止めで症状を抑えながら自然に排出されるのを待つか、大きさによっては体外から衝撃波を当てて石を砕く治療などが行われます。腎盂腎炎の場合は、抗生物質による治療が必須です。背中の痛みというと筋肉や骨の問題と考えがちですが、発熱や血尿、排尿時の痛みといった他の症状が伴う場合は、腎臓からのSOSサインかもしれません。特に、これまでに経験したことのないような激痛が突然現れた際には、迷わず泌尿器科を受診してください。