あれは一ヶ月ほど前のことです。疲れが溜まっていたのか、舌の先に小さな白い口内炎ができました。いつものことだと軽く考えて市販の塗り薬で対処していたのですが、今回は様子が違いました。日に日に痛みは増し、大きさもみるみるうちに広がっていったのです。食事をするのが苦痛で、特に塩辛いものや酸っぱいものが染みて、思わず声が出るほどでした。ヨーグルトのような柔らかいものしか喉を通らず、体力も気力も削られていくのを感じました。二週間が経っても一向に治る気配がなく、むしろ悪化しているようにさえ思えました。さすがにこれはおかしい、専門家に診てもらわなければと決意したものの、そこで迷ったのが診療科です。歯医者さんか、それとも他の科か。インターネットで調べてみると、歯科、耳鼻咽喉科、皮膚科など、様々な選択肢が出てきて余計に混乱してしまいました。私の場合は、舌の先だけでなく、喉の入り口近くにも違和感があったため、口から喉までを広く診てくれるという耳鼻咽喉科を受診することに決めました。病院の椅子に座り、恐る恐る口を開けると、先生はライトで照らしながら丁寧に診察してくれました。そして、「これは辛かったでしょう。かなり大きなアフタ性口内炎ですね」と診断されました。処方されたのは、炎症を強力に抑えるステロイド軟膏と、粘膜の修復を助けるビタミン剤でした。塗り薬の使い方について詳しい説明を受け、その日の夜から早速試してみると、翌朝にはあれほど酷かった痛みが少し和らいでいるのを感じました。三日も経つ頃には食事も普通に摂れるようになり、一週間後にはすっかり完治したのです。あんなに悩んでいたのが嘘のようでした。もし同じように治らない口内炎で悩んでいる方がいたら、一人で抱え込まず、専門医に相談することをおすすめします。私にとっては、耳鼻咽喉科という選択が最良の結果に繋がりました。