ようやくマイコプラズマ肺炎という診断がつき、適切な治療が始まった後も、いつから仕事に復帰できるのか、治った後も咳は続くのかなど、様々な疑問や不安が残るものです。回復期と治癒後の生活について、知っておくべきポイントを解説します。まず、職場復帰のタイミングですが、インフルエンザのように法律で明確な出勤停止期間が定められているわけではありません。一般的には、解熱して全身状態が良好になり、激しい咳が治まってから、というのが一つの目安になります。しかし、マイコプラズマは回復後もしばらくの間、菌を排出することがあるため、周囲への感染拡大を防ぐという観点からも、復帰のタイミングは自己判断せず、必ず主治医に相談し、その指示に従うようにしましょう。職場には、診断名を伝え、医師の許可が出るまで休養が必要であることを理解してもらうことが大切です。次に、多くの人が悩むのが、治療後も続く咳です。マイコプラズマ肺炎の治療によって菌そのものはいなくなっても、気道に残った炎症のダメージによって、粘膜が過敏な状態が続くことがあります。そのため、少しの刺激で咳が出やすい状態が、数週間から一ヶ月以上も続く場合があります。これは「感染後咳嗽」と呼ばれ、徐々に改善していくことがほとんどですが、あまりに長引く場合は、再度医師に相談しましょう。また、長期間の闘病で体力はかなり消耗しています。熱が下がり、咳が楽になったからといって、すぐに以前と同じペースで活動を再開するのは禁物です。特に、睡眠と栄養をしっかりと取り、焦らずに体力を回復させていくことを最優先に考えてください。最後に、一度かかったからもう大丈夫、というわけではないことも覚えておきましょう。マイコプラズマに対する免疫は、生涯続くものではなく、数年経つと再び感染する可能性があります。日頃から、手洗いやうがいといった基本的な感染対策を習慣づけておくことが、再感染の予防に繋がります。