口の中にできる小さなできもの、口内炎。一つできただけでも食事や会話が辛くなる、非常に厄介な存在です。多くの場合は数日から二週間程度で自然に治りますが、痛みが強かったり、なかなか治らなかったりすると、どの病院に行けばよいのか迷ってしまう方は少なくないでしょう。口内炎の診療は、実は複数の診療科が対応しており、症状や原因によって適切な受診先が異なります。一般的に、口内炎でまず思い浮かぶのは歯科、あるいは耳鼻咽喉科ではないでしょうか。確かに、これらが第一選択肢となることが多いです。歯科では、口の中の専門家として、歯や歯茎との関連性、噛み合わせの問題、入れ歯や矯正器具の不具合が原因で生じる口内炎などを総合的に診断してくれます。特に、特定の歯が当たる場所に繰り返しできる場合や、詰め物が取れた箇所が刺激になっている場合は、歯科が最適です。一方、耳鼻咽喉科は、口の中から喉、鼻にかけての粘膜全体の専門家です。喉の痛みや違和感を伴う場合や、口の奥の方、喉に近い場所に口内炎ができた場合は、耳鼻咽喉科の領域となります。風邪をひいた後にできやすい口内炎なども、耳鼻咽喉科で相談するとよいでしょう。基本的には、口の中のトラブルとして捉え、まずは歯科か耳鼻咽喉科のどちらか、ご自身が行きやすい方や、かかりつけ医がいる方を受診するのが最も一般的な流れです。そこで診察を受け、もし別の専門科での治療が必要と判断されれば、適切な紹介をしてもらえます。自己判断で悩む前に、まずは口の専門家であるこれらの科の扉を叩いてみることが、早期解決への第一歩と言えるでしょう。